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英語リスニングのおすすめ勉強法 弱点克服のためのおすすめアプリ・教材

 

・日本人は英語習得に向いていない?リスニングは特に苦手?

英語リスニングは日本人が特に難しいと感じるものです。また、勉強法もあまり確立されていません。日本の英語教育は、リーディングとライティングが中心で、スピーキングとリスニングはやや軽視されていると言えるかもしれません。最近でこそ、傾向は変わってきているのかもしれませんが、いずれにせよ日本語と英語には共通項が非常に少ないため、やはり日本人の英語習得にはおおきなディスアドバンテージがあると言わざるを得ません。

日本人は脳科学的にも、英語学習に不向きであるということが、解明されつつあります。先ずは、英語と日本語の音域の違いです。日本語の周波数は125~1500ヘルツですが、一方で英語の周波数は2000~12000ヘルツと比較的高めです。この音域の大きな違いが日本人に英語を聞き取りにくくしている要因と考えられています。

幼児期であれば、この音域も聞き取りやすいのですが、長期間にわたって日本語の母音がベースの低い音域に定着して、結果として、高い周波数帯を聞き分ける能力が著しく低くなってしまっているのです。やはり、日本語だけを話し、聞いて、生きてきたので、必要のないものはそぎ落とされているのです。

また、個人差はありますが、語学学習に関してはおおよそ10歳までにやっておく必要があるともいわれており、特にスピーキングは、10歳以上になってから英語勉強を開始しても、ネイティブと同じレベルでスピーキングすることは非常に難しいといわれています。正直に言うと、アメリカ人のようにスピーキングやリスニングをおこなうことは、なかなか難しいということを、現実として受け止める必要もあります。

では、大人になってからのスピーキングとリスニングの能力向上は、あきらめなければならないのかというと、そうではありません。しっかりとした勉強法を選択することが出来れば英語スピーキングとリスニング力は高まります。ネイティブとまではいかなくとも、やや“クセ”は残りますが、ビジネス等でも十分使える英語力を身に着けることが出来ます。それには、適切な弱点把握と勉強法があるので、そのポイントをしっかりと抑えて勉強することが重要となってきます。

・日本語にない発音法をしっかりと認識しよう

英語には全部で16個の母音と、24個の子音があり、これはほとんどの日本人になじみがありません。さらに言うと母音には、2重母音、3重母音、R性母音などの特殊なものがあるので、幅はこれより広がってきます。そもそもの音が違うことに加えて、リンキングやリズムの違い等で、思いもしない発音をされることもあります。

当たり前と感じるかと思いますが、日本語に無い音を私たち日本人はまったく認識できません。聞き取れない音は、日本語にある音の中で一番近い音に変換されてしまい、カタカナをベースとしたカタコト英語を話すようになります。繰り返しになりますが、知らないものは当然認識することができないので、認識出来るようにそれらの発音の方法を正しく知って、習得する必要があります。下記で、日本人が英語リスニングを苦手とする理由を日本語にはほとんどない発音という観点でまとめましたので、何がボトルネックとなっているのかを確認しましょう。

①       日本語では使わない音が存在しているため

日本語はとてもはっきりとした母音のみで構成されています。一方で、英語は日本人にとってはとても曖昧に聞こえる発音が、上述したようにとても多いのです。日本語は5個の母音のみで話されていますが、英語は母音と子音を合わせて40個も音があります。

たとえば、下記はふたつとも日本語の「あ」に近い音ですが、/ae/ と /ə/の違いをスピーキングやリスニングで使い分けられる人はほとんどいないと思います。特に/ə/は、弱い発音をするという考え方があまりない日本人にとっては、習得ハードルが高いと思います。/ə/(シュワーとよばれている)は、about(~のあたりに /əˈbɑʊt/)の発音で使われます。この音は、唇を自然に開いてリラックスした状態で、舌の最も高い位置が舌の真ん中にくるようにして発音します。これは英語ではとても良く使われる音であり、かなり重要ですが意識して使うのは難しいですよね。

また、子音の発音に関しては、/r/ と/l/、/θ/ and /s/、/n/ and /ng/等、やはりなじみが全くないので、単純にリスニングで聞き分けることですらとても難しいです。特に、θは舌先を上の前歯にあてて、そのすきまから空気を出して発音します。長い文章の間であらわれると、発音することが本当に難しいです。think /θɪŋk/とシンプルにひと単語を発音するだけであれば、それほど問題はないのですが。

このように、同じような音であってもしっかりと違いを認識して、自分で発音してスピーキングが出来るように勉強法を確立していないと、リスニングも出来るようになりません。

②       英語は短縮されて聞こえづらくなる

2つの単語からなる語句が発音されるときにつながって、一つの単語のように聞こえることが多くあります。英語は短縮形が本当に良く見られ、これも日本人が英語リスニングを苦手に感じる要因となっています。ですが、短縮されるということをわかっていれば、聞こえるようになるので、それをしっかりと認識しましょう。

例えば、I am はI’m(アイム)となり、you areはyou’re(ヨーア)となります。be動詞は前に来る主語と結びつきやすい傾向があります。willやwouldも主語とくっつきがちです。また、notも助動詞と結びついて短縮されるので、これらも同様に耳で覚えていないと聞き取れるようになりません。

③       英語は音が脱落して消えることで聞こえづらくなる

英語は一つひとつの単語が日本語とは違って、しっかりと発音されません。特に話すスピードが早いネイティブの会話では、単語のつなぎ目で同じ音か似た音が連続する場合、前の音は実際には発音されないという脱落音のルールがあります。それを認識することができないと、いつまでたっても英語リスニング力は高まりません。

たとえば、同じ子音が続く場合は、前にある子音が聞こえなくなります。take careはテイ・ケアと発音されます。私たち日本人の感覚ではテイク・ケアだと思いますが、これを予想していると、なかなか聞き取ることが出来ません。

④       英語は弱く発音されることで聞こえづらくなる

日本人の英語リスニング力が高くない理由の一つとして、「弱形」の存在を知らないことも挙げられます。英単語には、「強形」と「弱形」という2つの発音をもつものがたくさんあるのです。たとえば“to”は、「トゥー」と発音すると日本の英語教育では習います。ですが、“to”は、しばしば「タッ」と短く発音します。すなわち、私たちは強形の「トゥー」のみを学び、「タッ」という弱形をしっかりと学ばないため、うまく聞き取ることが出来ないのです。

弱形を持つ単語は、前置詞・代名詞・冠詞・接続詞・助動詞などが中心であり、名詞や動詞に関しては、そういったケースはありません。「ネイティブの会話は速すぎて聞き取ることができない」と感じている人は多いと思いますが、実際には弱形になったことで、「短く」なっているのです。

良く出てくる「弱形」は覚えておいてください。

of「(ァ)ヴ」、and「(ァ)ン」、with「ワズ」、in「(ァ)ン」、on「(ァ)ン」、at「(ァ)ト」have「(ァ)ヴ」、do「ドゥ」
弱形があり、私たちが知っている発音と違うことをしっかりと認識すれば、リスニング力は驚くほど向上すると思います。

⑤       英語は音が連結することで聞こえづらくなる

簡単に言うと、前の単語の最後の音と、次の単語の最初の音がつながることで音に変化が生まれることを指します。なぜ連結してしまうかは、『その方が話しやすいから』という理由です。この「連結」のパターンが知れば知るほど、英語リスニングも上達し、苦手意識を克服できます。特に、英語は子音の後に母音が続くケースでは、十中八九で連結してきますので、このルールをしっかりと意識しながらリスニングに取り組んで下さい。

連結する例にも目を通しておいて下さい。

that I「ザライ」、man is「マニズ」、wonder if「ワンダーリフ」、they are (they're) 「ゼァー」、men are「メナー」、women are「ウィミナー」、send you「センヂュー」、decided yet 「ディサイヂェッ」、both of us「ボウソヴァス」、make a contract「メイカ」、some of「サモヴ」

⑥       英語は音が同化することで聞こえづらくなる

これは、単語がくっつくことによって、まったく別の音に変わってしまう音の変化を指します。たとえば、want toは「ワナ」と発音されます。これはもはや、文字のうえでも「wanna」と書かれることがあるほど、一般的に良く知られた音声変化となっています。「going to」が「gonna(ガナ)」、「got to」→「gotta(ガダ)」、「want you(ウォンチュー)」とうもよく使われるもので、非常にポピュラーです。

・英語リスニングが出来ない他の理由は?

今回はある程度、勉強をした方が、さらにレベルアップするにはどのようなポイントを意識して、勉強法を確立すればいいのかという視点で、考えていたので今までは“音”の部分にポイントを絞っていました。ですが、もちろん“音”以外にもボトルネックがあるので、英語リスニングを苦手と感じる大きな要因を他にもいくつか挙げてみます。

そもそも、圧倒的に語彙力(単語力)が足りない
音は聞き取ることが出来ても、文法の理解が足りない
英語の順番で意味を把握できない(日本語と英語で語順が違うため)

どれだけ、正確に音をとらえられたとしても、単語力、文法力、英語の語順への慣れといった、英語の勉強における幹の部分がしっかりしていないと、英語リスニングはできません。言い換えるならば、体の体幹のようなものでしょうか。

なにごともそうだと思いますが、出来ないことを出来るようにするプロセスでもっとも大事なことは、自分が何を出来ないのかを正確に理解することだと思います。つまり、リスニング力を向上させるためには、何よりもまず「なぜ英語を聞き取ることができないのか」という理由を分析して、自分はこれが“出来ない”ということをしっかりと受け止めないといけないですよね。弱点が分からないと、それに合った勉強法をしっかりと選択できません。

この点は、本当に重要なので、自分と向き合ってどのポイントをクリアすれば、英語リスニング力が向上するかを良く分析してみてください。もちろん複数の要因が合わさっているケースもあると思います。これらをしっかりと認識したうえで、これからおすすめする勉強法にチャレンジしてみてください。

・英語リスニング力を向上させる勉強法

日本語にない発音法を捉えられない場合の勉強法

日本語にない発音法を捉えられないケースの勉強法は、とにかく出会う単語や連語がどのように発音されているか一つ一つ経験していく事だと思います。

この弱点克服におすすめの勉強法は、『スタディサプリ ENGLISH』 だと思います。株)リクルートが運営するもので、アプリストアの教育カテゴリーにおいて、ランキング1位を獲得したこともある、かなり人気な英語学習アプリとなっています。『スタディサプリ ENGLISH』 は、英語学習アプリの中でもとても効果の高いもので、コストパフォーマンスの高いアプリです。

アプリで設定することにより、音声の速さも自分にあった速度に変えることができるので、自分が聞き取れなかったパートが明確に把握できるようになります。アプリ側のAIが、非常に秀逸なモノとなっており、学習データから弱点をこまかく分析し、フィードバックを返してくれます。弱点の把握がしっかりと出来ることがとてもいいポイントです。“彼を知り己を知れば百戦殆うからず”ということですね。判明した弱点を克服するため、専用トレーニングを作成してくれるので、弱点克服を出来る勉強方法が勝手につくられるといったイメージです。AIの発達がすさまじくて、驚くばかりです。

圧倒的に語彙力(単語力)が足りない場合の勉強法

「知らない単語が多くて聞き取れない」という人は、英語リスニングの勉強にくわえて、単語力(語彙力)を高める勉強法をおすすめします。おすすめの教材は、DUO 3.0です。DUOは、他の基礎的な単語帳と比べると、口語的な表現にフォーカスされていると思います。
Amazon等の評価も、とても高い英単語帳で、基礎づくりにピッタリかと思います。

また、アプリを使って覚える勉強法もおすすめです。とくに、英単語の暗記には【Quizlet】というアプリが、かなりおすすめとなってきます。【Quizlet】でサクッと単語を覚えていくことで、いつでもどこでも安く単語を覚えることができます。

音は聞き取ることが出来ても、文法の理解が足りない

音は聞き取ることが出来ても、文法の理解が足りないケースでのおすすめの勉強法は、Duolingoというアプリを使うことです。とてもポピュラーな英語学習アプリです。英文法だけでなく、いろいろな角度から英語を勉強できますが、英文法は「現在完了形」「不定詞」など、様々なカテゴリーが用意されており、苦手な部分も個別にセレクトすることも出来ます。このアプリでは、カテゴリーごとに英語の勉強をゲーム感覚で実践することができることもおすすめです。

直感的なインターフェースとなっているのでとても使いやすく、いろいろな方法で英語を勉強することができます。文法の勉強というと、難しい解説を読みながらかっちりと勉強することを想像しがちですが、このアプリを使えば、問題を解くプロセスで自然に英文法の知識を獲得していくことが出来ます。

英語の順番で意味を把握できない(日本語と英語で語順が違うため)

聞き取れるけど英語の語順で即座に意味が頭に入ってこないケースのおすすめ勉強法は、前から理解していくことを普通のことにするために、日本語の語順になおすことをせずに、たくさん英語を聞き続けることです。これは、かなり体育会系な勉強法です。ですが、前から理解していくことが普通になれば、英語リスニングでの理解度がまったく違ってきます。

英語の世界では、説明を加えるときに後ろに情報が付加されて、修飾されることがよくあります。

たとえば、下の例のように、a movieやthe manを後ろから修飾しています。

a movie interesting enough to see many times

何度見てもおもしろい映画

the man running in the rain

男性が雨の中を走っている

はじめは、ゆっくりでいいので、英語の語順で前から理解するようにトライしてみてください。

おすすめのアプリは、“リスニングドリル”です。TEDなどの動画を教材として組み入れた英語リスニングアプリで、英語と日本語の字幕を同時に確認することが出来ます。単語を検索して日本語の意味を調べる手間が省け、勉強の効率もかなり高まります。さらに、再生スピードの変更やリピート機能も搭載されているため、勉強する人のことを真摯に考えた、秀逸なアプリだということが出来ます。

このアプリを利用して、何度も英語リスニングをすることは、最短距離で能力を向上する勉強法です。はじめは、なかなかうまく聞き取れないことも多いと思いますが、練習あるのみです。

英語リスニングのおすすめ勉強法 まとめ

今回は『英語のリスニングが向上しない理由』(知らない音、単語力、文法力、英語の語順)とそれに対処するための弱点別勉強法を説明してきました。

何をするにも、自己分析は本当に重要です。自分にはどんな能力が足りないのかを、しっかりと把握して、それに合わせた最適な勉強法を選択して、英語リスニング力を向上させて下さい。

みなさんの英語リスニング力が向上することを願っています!